シークの涙 

登場人物紹介とネタバレあらすじ


ハナ コスギ(ハナ モイーニ)

主人公。現在23才。子供の頃のショッキングな事件で言葉を失う。(第一部ご参照)

ハナは治療のため、ペルーシアへと渡る。そこで王国での最大の権力者モーセ・モイーニと知り合い、やがて自分の過去と対峙しながら幸せを掴んでいく。(第一部)

第二部では、ハナはモイーニ夫人となっている。

 

モーセ シャリマール モイーニ

ペルーシア、最大部族トリパティ族のシーク。現在43才。不愛想な男だが、その美しさと長(おさ)としての強いリーダーシップと判断力、そして冷酷さを兼ね備え、そのカリスマ性から国民の男女問わず絶大な支持がある。年の離れたハナを溺愛している。

 

ラビ

18才のときからモーセに使え、現在は34才。モーセのエンタープライズで秘書室長として働いているが、公私ともにシークの片腕といわれている。過去において悲しい出来事 =妹・マリアナの悲劇= をずっと心の奥底に秘めて傷口が癒えることはない。ハナの優しい心に、時として救われる。現在も亡き妹の復讐を虎視眈々と狙っている。

 

サビーン エリアス モイーニ

モーセの従妹であり、モーセが心許す数少ない人間。若い頃、日本に留学し、ハナの父親であるコスギ教授に心密かに憧れていた。コスギの忘れ形見ということで、ペルーシアに戻ってからもハナのことを妹のように気にかけていた。ハナの失声症に心傷め、なんとか治療しようとペルーシアに呼ぶ。美しい外見とは違って、中身は男性的でサバサバしているためか、恋人はいない。ただし母性は強く、現在は、ひょんなことで知り合った生まれたときから声のでないのエティの為に何かと奔走している。

 

ジョゼフ リドリー

現国王の兄であり、ペルーシアの財務大臣。リドリーの手腕によりペルーシアが裕福になったのは事実だが過去において、私欲のために手段を選ばず汚い手を使い、モーセの祖父を蹴落とした。だが、一度生死を彷徨い、その命をハナの父親に救ってもらってからは、王国のためだけに心血を注ぐようになった。現在はハナを孫娘のようにかわいがっており、それがモーセは気に食わない。

 

シタール(偽名:シューマ ナタス )

 

暗黒街で産み落とされ、以来ずっと裏街道を歩いてきたが、リドリーに拾われ、リドリーの闇社会の片腕として仕えることとなる。リドリーの命があれば、人を殺めることもある。片目を負傷し目がつぶれているため、昼間でも真っ黒なサングラスを外さない。

 

ダリオとエティ

ストリートチルドレンの兄妹。言葉が喋れないエティにハナが同情し、何かと手を差し伸べている。現在は二人ともラビの家で暮らしている。近日中に、アメリカでエティは声を取り戻す手術を受ける予定。利発なダリオは、ラビの指導を受けて見習いとしてモーセの会社で働いている。ラビのことをこよなく愛し尊敬し、モーセのことは偉大なヒーロとして崇めている。

 

アショカ ツール

ペルーシアの中で温厚なダンマー族のシーク。だが、ペルーシア1のダンサージーナを愛人にし、己の私欲のために、ペルーシア王国を牛耳る強族のシークに陶酔し、モーセに反旗を翻す。だが、第一部では、その夢は儚くちっていく。

 

ユリカ―ツール

アショカの正妻に認知された長女。女は男に従順であるべし!というペルーシアの古き教育で洗脳され、今はモーセに密かな憧れを寄せる。

 

ジーナ シャダウ

ペルーシアいちのベリーダンサーであり、世界中の男を魅了してきた。当時アショカツールの愛人であり、カレの失脚により、彼女の裏の顔が露呈され王国から姿を消す。

だがジーナは再びペルーシアの地を踏むが、以前とは変わり果てた醜い顔になっている。現在は、高級コールガールクラブを経営し、名だたる世界のセレブたちを顧客にもつが、裏では幼き娘たちをロリータ嗜好の金持ちたちに売りつける商売をしている。

 

アバ:ジーナの経営する高級コールガールクラ=裏ではロリータ売春ビジネス= で下働きをしている。幼き頃の辛い経験により体を自傷し、体中の醜い傷跡のため、ジーナの命で客をとらない。但し、シタールの目的のために、シタールのスパイとして選ばれる。シタールを崇拝している。

サビーン:モーセの従妹と同姓同名の、15才の美少女。ジーナ経営の裏クラブ=ロリータ売春= で、売れっ子。最近、アバにシタール(ナタス)という上客がついたことでアバを目の敵にして、何とかアバを窮地に陥れようと狙っている。

セメロス:ラビの幼馴染。子供のころはワルだったが、ラビの妹の悲劇により、今ではラビのために手足となって働いている。

タマール夫人:モーセの屋敷に家政婦として勤務。モーセの祖父の時代から働いているため、モーセのことを幼少名“モシート”として呼ぶ。モーセの頭があがらない人物。

オマール:ジャーナリスト。一時期ゴシップネタの部署に飛ばされていたがモーセに協力したおかげで、現在は政治部の第一線で働く。

コスギとすみれ:ハナの両親。すみれが殺された後、コスギは一人でハナを育てていたが、そのコスギも病で倒れる。両親を失ったハナは児童施設で育つ。

理玖航作(りくこうさく):ハナの通うペルーシア大学の同級生。ハナとは同国のよしみで仲良くなる。建築家をめざしている。ハナや、エティとも仲良くなり、コーサクンと呼ばれている。

ファイタル博士:ハナの通う大学の教授
こちらからは、今までのあらすじですがネタバレを含みます。
作者のために書き記したようなものなので、
ネタバレがお嫌な方は、こちらはスルー下さい。
ご興味のある方のみ、反転文字にしてありますので、
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ではどうぞ
ここから

第一部のおさらい

母親の自殺現場(のちに殺人と立証される)を目撃した幼きハナは、そのショックで失声症となり、以来言葉を発せられずに育つ。日本でも指折りの名医だった父コスギもこの世を去り、ハナは児童施設で育つ。コスギと師弟関係のあるサビーンが、ハナをペルーシア王国に呼びよせ、サビーンの従妹でもあるトリパティ部族のシーク、モーセのところに住まわせる。今まで一人ぼっちだったハナは、シークの屋敷で、人々のあたたかさに触れ毎日を楽しく過ごすようになる。たぐいまれな感性を持つハナは、モーセの孤独を知り、モーセに寄り添っていく。モーセも次第に心を許し、ハナを溺愛していく。

そんな中、部族争いの野望に燃えるアショカ・ツールは、その嫉妬心と野望心により、精神が壊れていく。かつてアショカが一方的に欲しかったハナの母、すみれを己の手で殺めた過去が、ハナの存在によって蘇り、アショカの猜疑心を煽っていく。モーセの復讐心でアショカによってハナは誘拐されてしまうが、モーセやラビ、そしてリドリーの活躍により、ハナは無事奪還。そしてハナはモーセにとってかけがえのない唯一無二の存在となっていく。

 

 

 

第二部:

モーセの正妻になったハナだが、果たして自分がモーセにふさわしいのかどうか自信が持てず、日々不安に暮らしている。せめて、自分に何か自信をつけたいと思い、大学に通うようになる。一方トリパティ部族内では、未だ、シーク・モーセの妻としてハナは認められていなかった。部族内の長老たちの間では、アショカ・ツールが失脚した今、シーク・アショカの部族、ダンマー族をトリパティ部族の傘下に収めるため、アショカの娘、ユリカとの縁談を勧める長老も多かった。だが、モーセは強固に長老の意見に耳を貸さず、愛人すらも作らず、ハナだけを大切にしていた。

ラビとリドリーは、全く別の情報網から、ジーナ・シャダウがペルーシア王国に戻り、現在裏社会で、ロリータ売春を斡旋していることを嗅ぎつける。リドリーは、ロリータ売春の顧客に、世界的にも有名なセレブリティたちがいることを知り、リドリーの部下シタールを、ジーナに近づかせる。シタールは、アバという少女と知り合いスパイにしたてあげ、情報を縋らせる。一方、ラビは、ダリオのお陰でジーナの経営クラブのおかしな金の動きを突き止める。そして、ラビの手足となってくれているセメロスを、ジーナの経営している高級クラブに忍ばせる。セメロスから、ジーナが経営している高級クラブの名義人が、実はラビの妹の死に大いに関係していることをつきとめ、ジーナとそのオーナの抹殺を密かに狙っている。

そんな矢先、リドリーの方が先に動き、シタールに、ジーナたちの悪事の証拠をつかむように命が下る。シタールはアバに悪事の証拠であるデータを盗むゴーサインを出す。

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