キッスの上手いオトコ

小説置き場

  5.  

ビールをチビリと飲んでは、また、下を向く。彼は先ほどからしゃべらない。わたしは、会話しようと笑顔を向ける。けれど、彼の冷たい顔に見返され、笑顔は張り付いたまま、ビールに手をのばすことになる。

「仕事、、忙しくなかったの?、、」

「別に、、」

 

「いきなり連絡くれて、びっくりした。、、」

「そう。 」

 

「雛子や志麻子と会ったんだって?」

「、、、、、 」

彼はわたしと会話をする気なんてないのだ。なのに、わたしが、愛想笑いをして、顔色を伺うように気を使って、、何だか、疲れた、、、。何を期待していたのだろう。心が急に重くなった。胸がつかえたように辛くなった。バカみたいに浮かれていたのかもしれない、、、もう、どうでもいいや。早く話を終わらせて、帰ろう。

「話ってなあに?、、、」

「別に、、 」

耳を疑う。さすがに怒りがこみあげた。下を向いていた顔をあげた。彼の綺麗な瞳がそこにあった。どうやら彼はずっとわたしの一部始終を見ていたらしい。

「どういうことかわからないけど、水沢君。失礼だと思う。わたしが何かした? 何を怒ってるわけ?合コンで昔のクラスメートと会ったことがそんなに不愉快? そんなのわたしのせいじゃない!」

一気に口から言葉が続いた。けれど、声が震える。怒りのせいだ。こういう風に、人を責めたりすることに慣れていない。自分の感情をぶちまけることに慣れてない。だから、声が震えた。

「やっと、変な笑顔が消えたね?吉澤さん。」

「えっ?」

「あのエヘラ笑い、あっちの方が失礼だと思うよ。」

「な、なに? 」

冷や水をあびせられたような気持ちになった。

「 吉澤さんの言う通り、俺、怒ってる。ずっと怒ってる。」

血の気が引いていく。彼の目が怒りでギラギラと燃えていた。

「だけど、それは、吉澤さんがさっき言ったようなバカらしい理由じゃない。 」

こんな声は初めて聞いた。彼は怒りをコントロールしている。いつも優しくて、助けを求めれば誰でも助けてくれる、そんな男だと思っていた。

「覚えてない? 加害者のくせに。 」

加害者、、嫌な言葉。わたしは誰も傷つけないし、誰からも傷つけられたりしない。

「何言ってんの?意味わかんない。」

「ふうん。本当に覚えてないんだ。あのときのキス。 」

 

『キスして、、、水沢君?、、、、』

『いいよ。』

 

体がかあーっとなった。忘れるわけがない。体に電流が走って、体中が震えた、あのキスを。

「な、なに?」

「キスしてって俺に迫ったくせに、あれって、お遊びっつうか、単なる興味だけだったんだよね? 」

 

*********

3年生のとき、卒業間際に仲良しグループで作ったイベント。高校生活が終わるまでに一つだけやる事を書くこと。友達とは似たりよったりの目標。 マルマル君にコクる。まるまる君とキスする。それ以上のこととか。。目標をみんなで紙に書いて箱に入れ、鍵をかけてしまった。卒業式の前日に、それを開けて、みんなで確認する。果たして実行出来たか否か。みんなで確認するまでは、それぞれの内容は秘密だった。そのイベントは、少し子供っぽかったけど意外と盛り上がった。 わたしの紙には『水沢丈太郎とキスをする。』と書かれていた。卒業式前日、放課後、わたしたちは教室に集まった。誰もいない教室でわたしたちは、ドキドキしながら箱を開ける。告白大会が始まった。誰が何を書いて、果たして実行したのか、成功したのか、一人ずつ告白をしていく。ウソをつくことも出来た。けれど、みんなは本当のことを言った。わたしの番が来た。

『キスした。』

『うっそおおおおお??』

『だ、誰と?』

『水沢丈太郎。 』

一瞬間があって、それから、

『『『ええええええ?!!』』』

大騒ぎになった。それまで、彼女たちには、彼のことを何一つコメントしたことがない。かっこいいよね、とか、気になるんだけど、とかそういう類。水沢君は、表立ってモテるタイプではないから、わたしの告白は彼女たちが驚くのも無理はない。そうも思った。けれど、、

『ああ、でもわかる。彼って大人って感じよだね。 』

誰かが急に言い出した。

『そうそう、太ってるんだけど、イヤミないし、筋肉質だし、うん、実はわたしも好き。彼からコクられたら付き合ってもいいかも? 』

友だちは次々と口をついて彼を賛歌し始めた。そして、

『わたしもキスしてもらおうかな?』

などと言い始めた。それが何だかムカついた。わたしだけが彼の美しさに気がついていたのに、そんな傲慢なことさえ思っていたのだ。

『してもらえば?彼、誰とでもキスしてくれるよ。』

『『うっそおおお? 』』

『すごおおおおくキス上手かったもん。』

『えええ? 』

『彼さ、メキシコ人の血が入ってるんじゃん? だから、わたしキスしてほしかったんだ。外国人のキスって初めただから。彼、すごおおおく情熱的で、えっちな気分になったよ。 』

得意になって言葉がスラスラでてきた。余裕を見せながら、彼とのキスなんて何でもないような感じで、平気でウソをつく。心の中に隠していた蛇が勝手にでて来て動き回り毒を吐く。もうここでやめとけばいいのに、そう思っても、心にもないことを言っている自分がいた。

『あれなら、女の経験両手じゃ足りないかもね。』

『うわあああ、じゃあ、わたしもエッチの手ほどきしてもらおうかな?』

『きゃあ、やあだ!』

『『きゃはははは! 』』

結局わたしのキスは、みんなにはマジだと思われずにすんだ。けれど、言った後、心にぽっかり穴があいたように空しかった。何か大事なモノがこぼれていってしまった、、そんな感じ、、

*********

 

「思い出してくれた? 結構良かったって言ってなかったっけ? 」

そうか、、彼は、あの放課後のことを知っているのだ。

「だから怒ってるの?」

「あたり前でしょう?二人でしたことを、あんなふうに面白おかしく言われて、吉澤さんの神経を疑うよ。」

「けど、、本当じゃない? 水沢君、誰とでもキスするんじゃない?でなきゃ、、 」

そう、、、いつも思っていた。いつも不思議だった。あのとき、わたしが頼んだら、何故彼は何も言わず、キスをしたのだろう。

「だからって、人にあんなこと言いふらす?しかも俺がメキシコ人だからって、それだけで興味があったって?」

言い返された。

「結局、吉澤さんは、昔も今も変わってないね。何も自分でやろうとしないし、最初から諦めて何も手に入れることが出来ない人なんだね。」

彼の形の良い唇の端があがった気がした。それは、わたしを見下しているような蔑んでるような責めているような哀れんでるような、、雛子の顔を思い出した。

「もういい。もうわかったから、、もう会わなければいいんだから。 」

店を飛び出していた。気がついたら、駅とは反対方向へ走っていた。

「はあはあはあ」

久しぶりに本気で走った。心臓がバクバクする。走ってるときは息が苦しくて、心臓の鼓動が激しくて、それだけを感じてたから、彼のことを考えなくてすんだ。

「 はあはあはあ、、 」

10代の頃とはもう違った。息切れは激しく、足がガクガクした。腰をかがめ息を整えた。水沢君に言われたことが頭をグルグル回った。何よりも、あの放課後のわたしを知られてしまったことが、、辛かった。

「えっ?」

誰かに腕をとられた。

「酒飲んで、あんな風に走ったら危ない。」

「な、、なんで?」

目の前に大きな水沢丈太郎の体があった。彼の艶のある、けれど無表情な顔からは何の感情も読み取れない。でも、同じ距離だけ走ったくせに、彼は息切れひとつしていなかった。

「なんで、、?」

「何で追いかけてきたかって? 」

先ほどとは声音が変わった気がした。急に走ったお陰で酔い回り、耳がボワンとしているせいかもしれない。

「まだ話が終わってないから。」

「えっ?」

「吉澤さん、ひどいことしたって自覚あるの?」

顔が赤くなった。無言で頷いた。

「そう、、なら、」

水沢君の体がわたしに近づいた。温度が上がった、、そのくらい彼の全ては怒りの為か、熱を帯びていた。

「 俺とセックスしてよ。」

「えっ?」

「今度は俺の頼みも聞いてほしいんだけど、、吉澤さん? 」

今度は、はっきりわかった。彼の唇の端は上がっていた。意地の悪い笑顔をわたしに向けていた。

 

**********

そこは、東城さんとの情事で使うホテルとは、似ても似つかない安宿。汚くて下品で、場末のラブホで、昭和の残りの香りがした。玄関も真っピンクで、ケバケバしく、男と女が乱れるためだけの場所だ。

「脱いで。 」

ずっと無言だったくせに、部屋に入るなりの第一声。鼓動が激しくなって喉から出そうなくらいで、、

「シ、、シャワー、浴びさせて、、、 」

彼の視線がわたしを上から下まで見おろす。まるで値踏みをされてるようだ。

「シャワーはあとで入ればいいでしょう?どうせやれば汗かくんだし、汚れちゃうんだし、、 」

意地悪く彼の唇からそんな言葉がでてくる。彼はわたしを挑発する。子宮がきゅうっとしまったのがわかった。そんな言葉にさえ、下腹部が痛いくらい反応している。わたしは彼の強い視線に抗えない。これから起きる甘い誘惑を、わたしの体は求めていた。彼の大きな手のひらが動いた。自分のシャツのボタンを外し始めた。指も長い。彼が手を広げると、本当に大きな手で、、わたしは彼の手がずっと好きだった。

 

***********

3年2組の担任は熱血教師で、イジメするやつは最低!それが口癖だった。わたしたちの耳には綺麗ごとのようにきこえたけれど、それでも、いわゆる世間で問題となる大きなイジメはなかった。でも、、それなりに、クラスから嫌われる子は、いた。男子の場合は、アカラサマに身体的特徴で嫌われていたし、女子は女子で、陰気な子が敬遠された。陰気な子と一概に言ったって、ただ単に引っ込み思案だっただけなのかもしれない。若い頃は、若さだけの狭い視野で物事を考え、相手の気持ちになってなどという面倒臭いことは極力避けたいのだ。本当に話してみれば、そうじゃないかもしれない。けれど、クラスでただ挨拶を交わしたりする仲では、根暗そう、その印象だけで十分だった。

『カメ子、やばい、お弁当袋地味すぎるっしょ、あれ親父のじゃね?』

『うわ、カメ子に触られたよ。臭い、かも? 』

カメ子とは勿論あだ名だ。だが、表立ってソレを言ったりはしなかったし、揶揄したりすることも、彼女がいないときに言ってケラケラ笑った。カメ子には友だちもいた。そのグループもまた陰気だと言われている子達で、『類は友を呼ぶ』などと思っていた。そういう仲間とつるんでいたから、少なくともカメ子はクラスで一人ポッチの存在ではなかった。

『カメ子の目って気味悪くね?マジ、亀の目のほうがつぶらでかわいいかも?』

『やあだああああ 』

そうやって笑いあっていた。わたしも笑った。だけど、本当に面白いわけじゃなかった。男子もアカラサマに彼女を嫌った。その中で、水沢丈太郎だけが普通だった。水沢丈太郎の態度はクラスで浮いていたのだから、本来なら彼だってイジメられてもよかったはずなのだが、そうはならなかった。太っていたとはいえ、かなりの運動神経でガタイも大きいから、男子は鼻っからケンカは願い下げだと思っていたフシがあった。女子にしてみれば、彼の大人びた行動は、何だかそういうイジメの対象にするには何かが憚かられる、そんなことを漠然と思っていた。 クラス一、可愛くてモテる女子にも、カメ子にも水沢君は同じ態度だった。

『水沢君、あれ取ってくれる? 』

しなを作って上目使いに頼むモテ女子、ジュンに、水沢君は優しい笑みを返す。

『いいよ?』

カメ子は表立って水沢君に近づくことはなかった。でも、水沢君の方で気を使っていたみたいだ。

『今中さん、足から血が出てるよ?保健室行く? 』

『この間貸してくれた本サンキュー。 』

『ああ、取ったあげるよ。危ないから。 』

彼の顔にはジュンへ向ける笑みと寸分違わない笑みが、カメ子にも向けられる。 ある日、カメ子が生物の授業の後片付けを押し付けられ、両手イッパイに荷物を持って廊下を歩いていた。そのとき、カメ子が転んだ。

『 あっ、、 』

わたしは、廊下でソレを見ていて、思わず駆け寄ろうとした。何だか手を差し伸べたい、そんなことを思ったんだろうか。でもわたしより早く手を差し伸べた人がいた。 水沢丈太郎だった。 大きな手をカメ子の顔の傍に差し出した。

『大丈夫?』

彼の瞳がこの上もなく優しく細められた。カメ子はおずおずとして、迷っていた。

『大丈夫? 』

彼は、掴まって?と言わんばかりに、手をもう一度動かした。カメ子の手が弱弱しく、迷いながら、彼の手に近づいていく。 いやだ! はっきりと自覚した。あの手で、他の人を触ってほしくない!どす黒いドロドロしたものが、わたしの体をかけまわった。カメ子に、他の誰にも、触れさせないで!

『はい、ほら立って? 』

水沢君は、カメ子の手を掴んで彼女を立たせた。そしてひざまずいて、小さな子にするように、スカートの汚れを払ってあげた。まるで、ナイトが愛する姫を守っている、そんな風に思えた。 あの大きな手に触りたい。あんなふうに触られたら、どんなだろう、、、

 

**********

彼の大きな手が近づいてきた。

「ああ、、 」

キスだけなのに、わたしはもうよくわからなかった。彼の手がわたしの顎を掴み、決して放さない。まるで獲物を捕らえたような獣の激しさだ。まだ舌も入ってないのに、、彼の上唇と下唇だけで、わたしの体は官能の海に誘われた。膝がガクガクする。立っていられない、、 思わずギュッと水沢君のシャツを掴んだ。彼のはだけたシャツがずり下がり、肌があらわになった。

「ふ、、、 」

彼の含み笑いが聞こえた。

「ほら、しっかりして?俺にもキスを返してよ? 」

意地悪だ。わたしがもう足がガクガクしているのを知っているくせに。

「む、、無理、、お、、願い、、、」

水沢君の瞳がわたしを凝視する。彼は黙って体を少しかがめた。わたしの膝の後ろが温かさを感じた。その刹那、体がひょいと浮いた。

「あっ、、 」

彼の大きな体なら、わたしを抱き上げるくらい何の造作もないことだ。ベッドに運ばれていく。彼の穢れのない瞳はが一心にわたしに注がれる。

/ストン、、、 /

彼の冷たい言葉、彼のつれない態度、彼の皮肉な微笑み、、そんなものを全て打ち消すくらい、水沢君はわたしを優しく布団の上においた。本当に優しく、、胸がしめつけらる。ベッドなどとは名ばかりの、和式寝台の上に寝具がセットされている。わたしはその薄い布団に横たわる。彼の指がじらすように、わたしのボタンを一つ一つ、外していく。決して瞳を外さず、わたしを凝視しながら、、見られている、そう思うだけで、体が熱くなった。 ショーツと揃いの黒のブラジャーが扇情的に自分の目に飛び込んだ。こんなことが起きるわけがない、そう思いながら、わたしは黒のランジェリーを選んだ。今朝、ずっと彼からの連絡の無いことに、腹を立てていた。彼とセックスするわけないとわかっていても挑戦的に黒を選んだ。絶対に起きないと思っていたのに、今夜、彼から連絡があり、今、信じられない現実が広がっている。こんなことなら、可愛らしい花柄の揃いにしておけばよかった、、そんなことを思いながら、、

「あん、、、 」

いつのまにか彼の大きな手がわたしの胸を包んでいる。小ぶりだけど、形はいい。そう思っている。

「綺麗だ、、、 」

彼が初めて言葉にだした。胸がキュンとした。嬉しくなった。その瞬間、言い知れぬ高ぶりがわたしを襲う。腰が我慢できず勝手に動いてしまう。彼は言った傍から、胸を包みながらその親指で、わたしの敏感な先端を襲う。触られる前から痛いくらい反応していた乳首に彼の指が触れる。

「ああん、あああああっ」

思わずのけぞる。だめだ、持って行かれる、、体が震える。体中がすべて性感帯のようで、怖い。

「感じやすいんだよね、、吉澤さん、、変わってないね。 」

彼の声が優しく響く。それが彼の本心かどうかわからない。でも今はこの淫らなひとときに身を委ねるだけ、、彼の愛撫は丁寧で、わたしの呻きを一言も逃さない。彼の指が、手が、わたしを弄っている、そう思うだけで、感じてしまう。

「見て?」

彼のくぐもった声。水沢君は状態を少しだけ起こし頭でソレを指した。鏡、、天井には乱れたわたしの肢体が映っていた。

「いや。」

思わず顔を背けた。それを知っていたように、片方は胸を弄りながら、もう片方の手で頬の向きを変えられた。わたしの視線が上を彷徨う。上気した厭らしい顔が映っていた。大きな体に襲われ、彼に押さえこまれ、そのシーンだけでも十分に官能的だった。

「んんん、だ、めええ、ああん、いや、水沢君、、 」

鏡に気を取られていた。いつのまにか彼の手は、わたしのショーツの中にいた。蠢く。そして意地悪な動き。入るのかと思えば、入り口で焦らす。抗議の目を向けると、彼は笑った。

「吉澤さん、いやって言ったでしょ?」

こんなにも意地悪な男だったのか。あの優しい瞳の彼は、、こんな風に女を抱くのだろうか、それともわたしだから、、罰しているのだろうか、、 、、

「お、、願い、、」

「ん?いやじゃない?」

「入れて、、お願い、、 」

フッと吐息がかかった。そのまま彼の体が下へとずれていく。彼の両手がわたしの腰をしっかりと捕まえた。いつのまにかずり下がったショーツ。いきなり直接彼の息を感じた。

「あああ、、、 」

ぬめったものがわたしの中に入る。彼の舌、、いやらしく吸う音がした。あたりに水音が淫らに響き渡る。

「だめえ、 」

こんなことを言ったら、また動きが止まったら、、不安になった。でもシャワーも入ってない。

「水沢君、、だめ、、汚いから、、 」

彼は顔をわたしに向けた。

「汚くないよ?吉澤さん、、、 」

泣きたくなった。

「泣かないで? 吉澤さん? 」

恥ずかしさと、気持ちのよさが入り混じって、顔が歪む。

「ひいい、あん、あん、ああああ、 」

悲鳴だ、こんなの知らない。彼の指がわたしの中を犯す。出たり入ったり、出たり入ったり、、もう何もわからない、わからない、こんなの知らない、、、 彼の指の動きが激しくなる。擦られる。

「ああ、」

わたしの声に反応して、ソコだけを擦り始めた。何度も、軽く、強く、激しく、長くて大きな指が、もう何本入っているのかなんてわからない。

「ああ、んん、あああああ、ああ、だめええ、いや、そこっ、、あああああ」

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